EF64について

基本番台(1〜79)

昭和30年代後半、33.3o/ooの勾配が連続する奥羽南線(福島−米沢間)は輸送力を増強する必要に迫られていた。当時、奥羽南線にはEF15を電力回生ブレ−キ付きに改造したEF16が活躍していたが、このEF16の増備による対応では、数年で線路容量が行き詰ることが明らかであった。このため、EF16に代る牽引力の大きい新形機関車を開発し投入することになり、EF64の開発が行われた。EF64の開発は、将来上越線・中央本線への増備も考えられたため、20〜25o/oo勾配線区にも粘着性能のよい20〜33o/oo勾配線区用標準機関車の開発として行われた。

EF64は基本的にはEF62・63をベ−スに横軽(66.7o/oo)の特別装備を省き、軸配置変更(Co−Co→Bo−Bo−Bo)、歯数比の変更(1:4.44→1:3.83)、抑速発電抵抗ブレ−キの改良、耐寒・耐雪装備することにより作られた。なお、EF64で電力回生ブレ−キではなく抑速発電抵抗ブレ−キが採用されたのは、福島−米沢間の変電所の容量や他線区での使用を考えたためである。

先行試作車1号機(東芝)・2号機(川崎車輌)は昭和39年11月に落成し、12月から福島−米沢間で性能試験を行ったところ、期待された性能が安定して得られた。このため同年末から使用、昭和40年7月から量産が行われ、昭和51年までに79両が製作された。現在は、中央本線・篠ノ井線を中心に信越本線・南武線・武蔵野線等で主に使用されています。

1000番台(1001〜1053)

昭和50年代中頃、上越線で使用されていたEF15・16・58は車齢が30年に達し老朽化が進んでいたため、代替機関車によりこれらの機関車を淘汰することになった。上越線は、20o/ooの勾配が約40kmおよぶため、代替機関車には抑速ブレ−キ付き機関車が望まれ、EF16に使用された電力回生ブレ−キが検討されたが、 EF16の電力回生ブレ−キ使用状況、地上設備、開発期間、中央線などでのEF64の基本番台の実績等により、抑速発電抵抗ブレ−キ付きEF64を増備投入することになった。

しかし、 EF64の基本番台が登場してから16年経っており、技術的進歩、検修作業性・乗務員の居住性の改善、使用線区(上越線)に合わせた設計とするため、 EF64の基本番台をマイナーチェンジした1000番台を開発し投入されることとなった。基本番台からの主な改良点は、抑速発電抵抗ブレ−キ性能の向上、耐寒・耐雪装備の強化、メンテナンスフリー化、乗務員居住空間・計器類の配置の見直し、騒音の防止対策が行われた。昭和55年に1号機(1001号機・東洋)が登場し、昭和57年までに53両が製作された。現在は、上越線を中心に信越本線・高崎線・武蔵野線・東北本線・青梅線・南武線・根岸線・伯備線等で主に使用されています。

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